【ネタバレあり】MA式サバイバルゲーム
用語
ガンジス公国
中ノ鳥島を領有する小さな国。
1908年、日本人が発見して日本の領土と認められたが、その直後に住人が島全体を高度な技術で隠蔽した。
それから間もなく、当時の日本政府が中ノ鳥島は存在しないと結論付けて捜索を打ち切り、結果として当国は主権の維持に成功している。
ガンジス公国の公用語は日本語で、人口は約12万人と極めて少ない。
北部はアトランティス系やメガラニカ系の住民が多いため、高い技術力を活かして主に電子機器の開発や製造を行っている。
中ノ鳥島が地上の国々に発見されないよう、諸々の手段を講じているのも北部。
一方の南部は日系人が多く、農業や漁業等の一次産業を中心としており、言わば同国の台所的な役割を担っていた。
地域によって経済格差があり、豊かな北部と貧しい南部の間で度々確執が生じている。
しかし、孤立した島ゆえに共存する以外の道がないため、互いに都度譲歩を繰り返しながら協力関係を築いてきた。
なお、南部はラムダ区とオメガ区、そしてデルタ区という3つの区で構成されている。
いずれも選挙で選ばれた区長が自治することになっており、珍しい例で言えば、南西の島にあるミトー・アーセナル中央研究所の所長がデルタ区の区長を務めたこともあった。
ゾンビパウダー
非人道的な生物兵器。
ブードゥーの秘術で使われる同名の粉末をヒントに、幻覚作用があるキノコ由来の真菌をフグ毒によって変質させたもの。
平たく言えば、ゾンビパウダーは人間をゾンビに変える作用があり、ゾンビは以下の特徴を持つことが知られていた。
- 人間がゾンビに、ゾンビが人間に見える
- 人間とゾンビが遭遇した場合、双方が相手をゾンビと認識してしまうせいで、殺し合いに発展する
- 仮に自分がゾンビだと気付けても、人間の発する言葉はゾンビの呻き声にしか聞こえず、文字の読み書きもできないので意思の疎通は困難
- 負傷しても即座に回復する
- 焼死や爆死した場合、あるいは脳が破壊された場合等、物理的に修復不能なレベルで損傷した場合は治らない
- 細胞にも寿命があるため、概ね5~9回の致命傷を治したら、回復能力は失われてしまう
- 人間の飲食物をそれと認識できない
- 人間の生き血で栄養を補給しなければ脳細胞が壊死し、見境なく人間へ襲いかかる亡者と化す
- それでも栄養の不足した状態が続いた場合、生命活動を維持できずに死亡する
- 自分をゾンビ化させた者の命令に逆らえない
- オリジナルのゾンビパウダーと同様の効果
- 命令した者が人間であってもゾンビであっても、その内容は的確に反映される
ストーリー
南北事変
2123年、全世界が未曽有の食糧危機に見舞われる。
ガンジス公国も例外ではなく、南部の住民は収穫した貴重な食料を出し渋るようになり、北部の住民は財力に任せて食品の買い占めを始めた。
次第に衝突する機会が増え、南部が別の国として独立した後、最終的に北部が南部へ侵攻。
ガンジス公国軍も2つに分裂して仲間割れの様相を呈したものの、北部の部隊は南部の部隊より優れた装備を有する上、宣戦布告なしに奇襲を仕掛けたこともあって、序盤は北部優勢な状況が続く。
南部は北部勢力の戦線が伸び切ったタイミングを狙い、山林等でゲリラ戦を展開する。
退却する際は焦土作戦を敢行し、食料や施設を敵に利用させないよう徹底していたのも功を奏して、時間の経過と共に戦況は拮抗していった。
民兵の投入
南部は全住民に適性検査を義務付け、素質のある人々に速成訓練を施して戦線へ投入。
特に優秀な民兵は「ネームド」という称号を持ち、ニックネームしか使えない普通の民兵と違って、人の名を使うことが許されていた。
南部は兵站の要衝である国立ガンジス中央病院(画像中央の赤丸部分)に33名の民兵から成る防衛隊を派遣。
2名のネームド、ロリータとフランカを隊長と副隊長に据えた布陣で、その後方にも双子のネームド、ビアンカ姉妹が率いる遊撃隊を置くという徹底ぶりだった。
フランカ達は要所の防衛のみならず、敵地への攻撃も成功させて華々しい戦果を挙げていたが、戦争の終結を望まないビアンカ姉妹が不意に彼女らを背後から急襲する。
一夜の内に28名の民兵が犠牲となり、僅か5名しかいない多勢に無勢な状況で病院を死守し続けた結果、フランカとギャルがストレスやトラウマで心身に異常を
休戦中に2人の記憶を消し、療養させて回復した後にARデバイスを用いたサバイバルゲームでリハビリを実施し、態勢の立て直しを図った。
戦争の早期終結を願うオタクの裏切り、更にはビアンカによる襲撃があったものの、フランカ達は病院でビアンカ姉妹の排除に成功する。
直に南部勢力は北部の最大都市へ肉迫し、そのまま決着がつくかに思われた。
ゾンビパウダーの使用
焦った北部はゾンビパウダーを開発し、南部の広範囲に散布した。
住民達の約半数がゾンビ化したことで南部は自滅を始め、再び北部が勢いを盛り返す。
ゴシックとロリータ、ギャルとオタクが戦死し、フランカがゾンビ化。
臨時指揮官を務めていたデルタは直ちにフランカを回収し、開発したばかりのゾンビ用栄養剤を投与して延命させた。
和平条約の締結
ガンジス公国を治めていたアトランティス人の公爵が祖国に助力を要請するも、却下されたために致し方なく南部と和平を結び、協力してゾンビを駆逐した。
終戦後、公爵が「人口を減らしたことで食糧問題は見事に解決した」と南部への侵攻や生物兵器の使用を正当化したが、南北の両方からバッシングされたのは言うまでもない。
登場人物
フランカ - Franca
守備隊の副隊長を務めるネームド。
銃撃戦と接近戦のエキスパートで、記憶を消す前はガンジス公国の誰よりも強かった。
頭を使うのは不得意なため、戦術を立てることはあっても戦略を立てることはなく、デルタやゴシックに戦略の立案を任せている。
ヤンキー等のアウトローな存在を怖がっている節があり、そのせいでガラの悪いギャルに対して強く出られない。
デルタ - Delta
南部の臨時指揮官。
ミトー・アーセナル中央研究所の所長であり、以前はデルタ区の区長でもあった。
名前や口調、そしてニーチェの名言を引用する辺り、ダリヤとの関連性を匂わせる。
だが、表情が豊かなことや名言の本質を履き違えていたことからも分かるように、本人ではなく単なる1ファンに過ぎない。
ゴシック - Gothic
守備隊の参謀。
と言っても、付け焼刃の民兵ゆえに戦術を考えるのは苦手で、より大局を見据えた戦略の考案に向いている。
オカルト趣味があり、中でも呪術系に詳しい。
初陣の際、病院へ攻めてきた敵の集団めがけて、屋上から燃え盛る等身大の藁人形を落とすという奇抜すぎる戦法で戦場に大混乱をもたらした。
ロリータ - Lolita
守備隊の隊長を務めるネームド。
隠密行動に長け、毒針を用いた暗殺を得意とする。
歴史好きな一面があり、よく歴史上の人物を引き合いに出す。
南北事変勃発時は忍者がマイブームで、密かに自分がくノ一の生まれ変わりだと思いながら戦っていた。
ギャル - Gyaru
守備隊の衛生兵。
元看護師なのもあって、応急処置はそつなく
ステゴロでの勝負ならフランカより強い。
元ヤンだとか格闘技の経験者だとか、そういうバックグラウンドは一切なく、
オタク - Otaku
守備隊の特技兵。
本人曰く「こうどなじょうほうせん」が得意とのこと。
コンピュータのみならず、BLやコスプレに至るまで幅広く嗜む。
戦争を早期に終結させたがっていた本当の理由は「戦時中だとオタ活が捗らないから」だったのではないかと、仲間内で
ビアンカ - Bianca
遊撃隊を率いるネームド。
単体での戦闘能力は全盛期のフランカより若干劣るものの、2人いるため、部隊としての総合的な戦力は守備隊より高い。
双子だからという理由で、開戦当初は連携を求められていた。
ところが、絶望的に息が合わないと判明し、以後はゲームで協力プレイする時を除いて、必ず別行動を取っている。